住宅ローンをネット銀行で借りるときの注意点は?
「住宅ローンを借りるならネットから申し込める住宅ローンが有利」と、ローン申し込み時の候補リストに、ネット銀行を加える人が増えてきました。
しかし、住宅ローンのような重要な融資の際には、ネット上の金融機関ではなく、やはり昔ながらの店舗がある一般の金融機関が安心できる、と考える人はまだまだか多いのではないでしょうか?
たしかに店舗のある銀行などの金融機関と比較すると、実際にコスト面で圧倒的に有利なことは確かです。
ネット銀行は驚くほど金利が安い銀行
まず目を引くのがローン金利の低さです。ローン総支払金額の中で利息が占める割合は大変大きく、もし、3000万円を金利2%で35年ローンで借りるならばその利息総額は1000万円を超えます。
また、金利が0.1%違うだけで総支払額は100万円単位で異なってきますから、金利というものは住宅ローン返済において、非常に大きなインパクトを与える要素なのです。
また、様々な手数料が無料になっている点も大きなメリットに映ります。ローン申し込み時の初期費用の中でも高額な保証料、手数料がかかりません。
この分のコストカットだけでも数十万円にもなりますから見逃せない魅力です。
しかし、そのような一見メリットに映る利点が、違う側面からは異なる結果を生むこともあるのです。
住宅ローン注意ポイントその1「融資時のコストカット」
手数料の安さに隠れたデメリット
一般の銀行で住宅ローンを申し込んだ場合ほとんどの場合「保証料」という名の数十万円の費用が掛かります。これは何らかの事情で住宅ローンが払えなくなった場合、信用保証会社が、借入者に代わって残債を返済するという仕組みです。
このコストを借主に負担させない分、ネット銀行は借主への審査基準を厳しく設定することで、リスク回避をはかっているのです。
そのため、一般の金融機関よりも、審査が厳しく中々通過できないという声がよく聞かれます。
金利が安いことはおおいに有利!
とはいえ、金利の安さは実際にとても魅力的な要素です。金利が安ければその分返済利息も減ります。
この金利の有利さという点こそ人気を支える大きな理由になっています。
住宅ローン注意ポイントその2「返済中のコストカット」
繰り上げ返済手数料カットはうれしいメリット
住宅ローン返済において「繰り上げ返済による早期返済」を目指す人は多いですね。
繰り上げ返済とは、毎月の返済額とは別に追加返済することを指し、「返済期間を短縮するか」と「返済額を減らすか」のどちらかを選べるようになっています。教育費用が掛かる時期は返済額減少タイプを選ぶ、などライフステージに合わせて使い分けることができます。
この繰り上げ返済の手数料がかからないかどうかは、とても重要なチェックポイントです。ネット銀行はこの手数料が無料であり、繰り上げ返済手続きに窓口に出向く必要がないことは大変大きなメリットです。
一般銀行もネット口座を利用する場繰り上げ返済手数料はかからない!
メガバンクをはじめ一般の銀行も手数料に向ける一般利用者の厳しい目は承知しており、条件をクリアすれば手数料がカットできる措置を準備しています。
たとえばオンライン口座を利用すれば繰り上げ返済手数料はかからないところがほとんどです。
住宅ローン注意ポイント「サポート体制」
電話や、メールなどオンラインでサポートを受けられるサポート体制が整っているかも重要なポイントです。住宅ローン返済期間は何十年もの長きにわたる契約期間で申し込むことがほとんどです。
その返済期間の中では色々な出来事が起きるもの。気軽にサポート受けられる体制が整っているかどうか、口コミ情報サイトなどを確認しながら十分チェックしておきましょう。
金融機関で住宅ローンを申し込んだ場合、契約時の担当者が変わったとしても銀行担当者にきめの細かい対応をしてもらえることが期待できますが、基本ネット銀行の場合は、ネット画面上でのやり取りに終始し、対面サポートは受けられません。
基本的には、必要書類や事務手続きなを自分で行わなければいけないため、必要な情報を適宜教えてもらえるサポート先が確保されていることはとても重要な条件です。
住宅ローン注意ポイント「口座の使い勝手」
毎月住宅ローンの引き落としが始まると、ATMの手数料が気になり始めるもの。祝日のATM利用した際の時間外手数料の高さには驚いてしまいますね。
手数料がゼロになる場合の条件など、住宅ローン返済時に利用するネットを含めた口座の使い勝手はよくチェックしておきましょう。
初期のコストカットを優先するならネット銀行住宅ローン!
いかがでしたか?
確かに住宅ローンスタート時の金利の低さやトータルコストカットを考え合わせれば、やはりネット銀行利用のほうがメリットが多くなります。
しかし、ご紹介したように、ネット銀行は安定した収益確保のためには審査基準を厳しくせざるを得ず、頭金が用意できない、あるいは年収がまだ低いといった場合は審査に通過しない、あるいは希望額を融資してもらえないといった側面があります。
そのようなデメリットを受ける心配がない準備ができていて、かつ早い段階で完済を目指しているなら、初期のコストカット効果が大きいネット銀行の住宅ローンは賢明な選択だといえるでしょう。