住宅ローンの返済が難しくなった際に契約者が、融資を受けている金融機関に返済についての交渉を行うことをリスケジュールあるいはリスケと呼びます。

返済が苦しいという事情を金融機関に伝え、返済条件を変更してもらうことで返済負担を減らしてもらうのです。

金融機関にこの交渉を行うことで、住宅ローンの返済負担を軽減してもらうことができるのですが、実際に負担を軽減するには3つの条件が必要となります。

ここではどのように住宅ローンのリスケを行うのかについて解説していきたいと思います。

今後も安定した収入を得る見込みがある

一つ目は今後も安定した収入を得る見込みがあること。返済負担を軽くできても住宅ローンが無くなるというわけではありませんので、引き続き収入を得られる状態である必要があります。

資金繰りが一時的に苦しくなっている状態である

二つ目は資金繰りが一時的に苦しくなっている状態であること。住宅ローンの返済をするのに全く問題ない状態ではリスケを利用することはできません。

またあくまで返済負担を減らすための交渉ですので、上記で説明したように収入を得られる状態でない場合は対象外となってしまいます。

別の金融機関から借り入れをしない

3つ目は別の金融機関から返済に充てるための借り入れをしないこと。

住宅ローンの返済で苦しい状況に立たされているときに、銀行よりも手軽に借り入れができる、消費者金融などからお金を借りてしまう方もいます。

しかしそんなことをしても負債が増えるだけですので、返済が苦しいのであればまずは金融機関に相談しに行くことをおすすめいたします。

リスケの交渉が成立し住宅ローンの返済負担が軽くすることができれば安心です。

上記で述べたような条件を満たしていることによって利用できますが、具体的にどのような人が利用するのか解説していきたいと思います。

また住宅ローンの負担を軽減できるメリットだけでなく、デメリットもありますのでそちらについても把握しておきましょう。

予想外の出費が続き一時的に返済が難しい

日常生活の中では冠婚葬祭や旅行の予定が経つなど、思わぬ出費が続く状況が発生することもあります。

一時的にではあっても大きな出費が続くことで、家計が苦しくなることも決してありえない話ではありません。

そんなときこそ無理をせずに、金融機関に交渉すれば住宅ローンの返済負担を軽くすることが可能です。

入院により療養しなければならないが仕事には復帰できる

住宅ローン返済において病気のリスクはいつでもついて回ります。

長期入院を余儀なくされた場合は当然資金繰りも難しくなってしまいます。

しかし退院後問題なく仕事に復帰できるのであれば、リスケの交渉が成立する可能性は充分にあります。

失業したので再就職先を探さなければならない

不況のご時世ですので勤めていた会社が倒産してしまうことも珍しくはありません。

もしくは倒産を免れてもリストラされてしまう可能性もあります。

これらのような理由で失業してしまった場合、再就職先を探さなくてはならないという理由で、住宅ローンの返済についてもリスケを行うことができます。

リスケジュールを利用すると信用情報に記録される

住宅ローンのリスケジュールを行うことで返済負担を軽くできるというメリットがある一方、デメリットが無いというわけではありません。

大きく2つのデメリットが存在するのですが、1つはリスケを行うと新たに借り入れをすることが難しくなってしまいます。

なぜなら返済についての交渉を行った場合、信用情報にもその記録が残ってしまうからです。

交渉後は信用情報の評価が下がってしまう

交渉を行う前は正常先という評価区分だったのが、交渉成立後は要注意先あるいはそれ以降の、要管理先や破綻懸念先までランクダウンしてしまいます。

評価が下がってしまうと他の金融機関に申し込みした際にも影響しますので、住宅ローンなどの金融商品を利用する際の審査では不利になるのです。

これにより借り換えにおいても契約が難しくなってしまうという2つ目のデメリットが発生します。

評価を元に戻すにはリスケを行った際に軽くしてもらった分の返済を、通常の返済とは別途で支払う必要があります。

融資を受けた金融機関に住宅ローンの返済を軽くしてもらう交渉をするなんて、なんだか怖いという人もいらっしゃるかもしれません。

しかし現在は金融円滑化法という法律があり、金融機関へリスケの相談があった場合には、できるだけ応じる義務が課せられています。

よって交渉をしようとした矢先に、門前払いを食らうことはありえないので安心してください。

消費者金融やクレジットカード会社からのキャッシングは、どれも金利が高いため返済を軽減させるどころか、より負担が増えてしまう結果となります。

また別の金融機関から借り入れをしてしまった場合は、交渉がより難しくなってしまいますので絶対にやめましょう。

生活水準を保つためにも住宅ローンの返済が苦しいときに、リスケを行うことは非常に重要なことなのでまずはできるだけ早く交渉を行うことが肝要です。