住宅ローンは通常対象となる物件を購入することを目的とした上で融資されるものです。

よって物件を購入したあとに追加融資を申請しても、金融機関から断られる可能性が高いと言えます。

また通常とは異なるルールがいくつか存在するということも把握しておく必要があります。

追加で融資を受けるには金融機関との交渉が必要

金融機関の住宅ローン審査には通ったのだし、さらにお金を借り入れできるのではと思いがちですが、金融機関では通常そのようなサービスの提供は行っていないので、専用窓口から申し込みすれば良いというわけではありません。

もし住宅ローンの追加融資を希望する場合は、金融機関と交渉を行って納得してもらう必要があります。

承諾してもらえる可能性がゼロというわけでは無いのですが、元々が住宅を購入するためのサービスですのでやはり簡単にはいかないでしょう。

またたとえ交渉が成功したとしても再度住宅ローン審査を受ける必要があり、追加融資の場合は非常にハードルが高くなっていることも覚悟しなければなりません。

基本的に別の金融機関からの借り入れはできない

最初に受けた金融機関とは別のところから住宅ローンを借り入れようと考える人もいらっしゃるかもしれません。

しかし結論から申し上げるとそれは現実的に不可能であると言えます。

なぜなら住宅ローンには抵当権があり、どの金融機関からでも融資を受ける際には、必ずローンの対象となる物件に第一位の抵当権を設定しなければならないからです。

すでに金融機関と契約している場合は、その金融機関に第一位の抵当権が登記されているので、他の金融機関を割り込ませる余地はありません。

抵当権を抹消するには住宅ローンを完済するしかないので、通常の手続きでは他の金融機関から追加融資を受けるのは難しいのです。

上記のように住宅ローンで追加融資を受けるのは簡単なことではありません。

金融機関には抵当権がありこちらは自己破産など、よほどの理由が無いかぎり基本的にはずすことはできないので、それがさらにハードルを高くしていると言って良いでしょう。

よって金融機関に住宅ローンの追加融資を申し入れるのはあまり現実的ではないと言えます。

しかしその代わりに借り換えによって同じ効果を得るという方法もあります。

借り換えなら別の金融機関と契約できる

借り換えとは今契約しているローンよりも、低い金利のローンに契約して総返済額を減らし返済の負担を抑えるというものです。

たとえば最初の住宅ローンで融資を受けた金融機関の金利よりも、別の金融機関が提示している金利の方が低いという場合は、そちらに借り換えることで結果的に追加融資を受けるのと同じような効果を得られます。

また借り換えをすることで抵当権も新たに契約した金融機関に移ります。

借り換えで総返済額が減り負担も軽くなる

追加融資を受ける際には再度審査が行われるのですが、通常の審査よりも非常に通過難易度が高いものとなっています。

一方で住宅ローンの借り換えは多くの金融機関で、通常のサービスとして提供されているため、通過難易度が飛躍的に高くなるといったデメリットも発生しません。

また今よりも低い金利で契約することによって、総返済額も減らすことができるわけですから結果的にメリットの方が大きいと言えます。

借り換えでは新規契約で諸費用が発生する

しかし住宅ローンの借り換えはメリットは大きいものの、費用もそれなりにかかるというデメリットがあります。

借り換えといっても他の金融機関に申し込みすれば、新規契約という扱いになるので最初にローン契約をするときと同じく、事務手数料や印紙代などの様々な諸費用が発生します。

また抵当権を移動させる際には登記費用もかかります。

住宅ローンの借り換えを行う際にはこれらのような諸費用も含めて、総返済額を減額できるように考える必要があるのです。

今回は住宅ローンの追加融資について解説させていただきました。

上記のように金融機関から一旦融資を受けた上で、さらにお金を借り入れすることは不可能では無いものの非常にハードルが高いと言えます。

途中から融資を増やすこと自体リスクが高いので、できれば借り入れ前から余裕を見た金額で借り入れを行うようにすると良いでしょう。

また住宅ローンで追加融資を受けると、総返済額がさらに増えることにもなりますので注意が必要です。

返済が増えることは同時に、住宅ローンが破綻してしまうリスクも発生することを意味します。

もし住宅の修理などでまとまったお金が必要になっても、本当に返済できるかどうかを慎重に吟味した上で検討するようにしましょう。