住宅ローンで利用することになる元利均等方式と元金均等方式ですが、変動金利と固定金利どちらのタイプにするか悩む方が多いのと同様、どちらの方式で返済するかも大きな悩みどころの一つとなっています。

まずは元利均等方式と元金均等方式、それぞれの基本的な特徴についてご紹介しましょう。

元利均等方式は毎月の負担が少ない

元利均等方式は住宅ローンの元金と利息を合計して、毎月の返済額を一定にするというものです。こちらは当初元金よりも利息の割合が大きいため、元金が減るスピードが遅くその分返済期間も長くなります。また利息が多いため総支払い額も多くなるという特徴を持っています。

支払う期間は長引くものの毎月の支払い負担は少ないというメリットがあります。

元金均等方式は後になるほど負担が軽くなる

元金均等方式は住宅ローンの元金を毎月一定で返済するというものです。

元金が減っていない当初は利息も負担も大きく、毎月の支払い負担も元利均等より多くなります。しかし元金の減るスピードが速い分、利息分も減っていくので住宅ローンの支払い期間が短く、総支払額も元利均等より少ないというメリットがあります。

以上のように住宅ローンでは2種類の返済方法があるわけですが、一般的に多くの金融機関では元金と利息を合計させた元利均等方式が採用されています。

これは利息の支払いが大きい分金融機関側に利益が入るためです。

そうなると住宅ローンを利用する側にとっては損でしかないという話なのですが、では元金均等方式がメリットばかりなのかというとそうではありません。

元金均等方式を利用できる住宅ローンは少ない

誰もが住宅ローンを早く返済したいと考えると思いますので、支払いをする側から見ればやはり元金均等方式の方が好ましい印象を受けるでしょう。

それはそれで間違ってはいないのですが、問題は元利均等方式を採用している金融機関があまりに多いため、元金均等の住宅ローンの数が少なくその分選択肢が限られてしまうことです。

返済方法だけでローンを選ぶことはできないと言えるのが現状ですので、まずは冷静になって様々な商品の金利や諸費用などの条件も見てから、判断する方が現実的であると言えます。

元金均等での支払いを選ぶと審査難易度が上がる！？

また元金均等方式は元利均等よりも毎月の支払い負担が大きいので、実は審査のハードルもこちらの方が高くなっています。

元金均等方式は後になるほど返済が楽になるのですが、そこに行き着くまでにはやはりある程度の返済能力を求められるので、年収に自信のない方にはおすすめと言えない可能性も高いと言えます。

よって元金均等方式の住宅ローンはあくまで全ての条件が合致した場合のみ、という程度に留めておいた方が良いでしょう。

基本的には元利均等方式を用いた住宅ローンを想定しておくことをおすすめいたします。

以上のように住宅ローンでは通常2つの方式のいずれかを使って返済を行っていくのですが、他にも繰り上げによる支払い方法も存在します。

こちらを利用することで以降の支払い負担を効果的に減らすことが可能です。

効果的に利用するために住宅ローンの繰り上げ返済についても知っておきましょう。

支払いを繰り上げするとどうなる？

住宅ローンでは借入金額をはじめそのほか、借り入れ期間と金利から毎月の支払いがいくらになるのかが決まります。

このようにその人の条件によって毎月の支払い額が決められているわけですが、それとは別に前倒しで返済を行うと、その分だけ元金が減らすことができます。

さらに元金が減ったことで利息が減るので、翌月以降の支払い負担がそれ以前より軽減されるということにもなります。

これが繰り上げ返済と呼ばれる支払い方法であり、住宅ローンにおいては非常に重要な要素となります。

繰り上げしすぎると家計がピンチに！？

住宅ローンの元金や利息を減らすのにとても効果的な支払い方法ですが、使いすぎると逆にピンチに陥ってしまう可能性も孕んでいます。

利用することで非常に大きなメリットを得ることができる繰り上げ返済ですが、利用した分だけ出費も大きいという点も忘れてはいけません。

手元にあるお金の出費が大きいほど家計にも影響が出てしまいます。

もし急にお金が必要な状況が発生した場合、手元にお金が無ければ困ったことになります。

一度住宅ローンにお金を支払ってしまうと基本的に取り戻すことはできませんので、いくらメリットが大きくても無計画に利用するものではないということを留意しておきましょう。

今回は住宅ローンの支払い方法で知っておくべき基礎的な知識をご紹介させていただきました。

とくに元利均等方式はほとんどの金融機関が採用している方式ですので、最低限でも基本的な知識は身につけておきたいところです。

また住宅ローンには繰り上げのほかにも、ボーナス返済などの方法もありますので必ず確認するようにしてください

個人的には現代の年収から言って住宅ローンの支払いを、ボーナスに頼ってしまうのはあまりおすすめできないと言えます。

現代は不況ですのでボーナスが減額されてしまう可能性が大いにあるからです。

どの住宅ローン商品が自分に合っているかを比較するのはもちろんですが、毎月の返済方歩についても計画的な資金運用を心がけるようにしましょう。