住宅ローンの支払が厳しくなってきた。そんな時はまず金融機関に相談しましょう。返済期間の延長や金利の引き下げ等、返済を少しでも楽にできるようお願いをしてみます。

以前は門前払いが多かったこれらの相談も、最近では銀行間での競争激化や不況による支払困難者増加のため、相談に応じる金融機関が多くなっているようです。

しかし、普段から交渉になれている人であればともかく、一般人にとってプロである銀行員との交渉は至難の業。そんな時はこちらも交渉のプロである弁護士に代行してもらいましょう。あなたにとって有利な条件を引き出せるかもしれません。

銀行に相談しても難しい場合は、個人民事再生（個人再生）を検討します。

個人再生とは

個人再生とは、民事再生法による債務整理の1つで、住宅ローンを除く債務を5分の1に圧縮し、3～5年以内に分割して返済するという手続きです。自己破産のように自宅や車などの高価な財産が没収される心配がないのがメリットです。

個人再生の注意点

個人再生は、自宅等が引き続き保有できる分、自己破産より条件が厳しくなっています。また自己破産では住宅ローンを含むすべての借金が免除されますが、個人再生では住宅ローンは対象外です。引き続き返済しなければなりませんので、住宅ローン以外にも借金があって首が回らなくなったという方にとって有意な方法となります。

ただし、住宅ローンしか借り入れがない場合であっても、個人再生の手続きにより、住宅ローンの返済期間延長や延滞による期限の利益（住宅ローンを分割して返済する権利）の喪失を復活させることができる可能性はあります。

手続きは大変煩雑ですので、プロの弁護士に相談して依頼しましょう。

上記の方法でも難しい場合は、残念ながら自宅を売却するしかありません。この場合「任意売却」という方法がおすすめです。

任意売却とは

相談しても債務整理しても状況が厳しい場合は、残念ながら自宅を売却するしかありません。しかし、一般的に住宅ローンの残っている物件を売却する場合、売却した瞬間住宅ローンの残額を一括返済しなければなりません。売却金額が住宅ローンの残債を上回れば問題ないですが、下回った場合は差額は借金として残ったままになります。自宅を失ってもなお借金が残り、給料や車なども差し押さえられるということにもなりかねません。これは住宅ローンの返済を延滞して競売となった場合も同様です。

そこで、金融機関と相談しながら自宅を売却し、売却でローンが完済できなかった場合は、できる範囲で差額分を返済していくという方法が注目されています。これが「任意売却」です。

任意売却するには

任意売却するには、金融機関の同意が必要です。金融機関にとっても延滞で競売となり安い価格で売買されるよりは、市場価格で売買できる任意売却にはメリットがあります。うまく交渉して任意売却に持っていきましょう。交渉次第では売却後の差額については返済免除となる場合もあるようです。交渉は、プロである弁護士に依頼することをおすすめします。

知識が豊富で交渉のプロでもある弁護士はとても頼もしい存在。しかし、プロである分それなりの費用が必要です。一例ですが、必要な費用として、

1. ・銀行への交渉を依頼する場合：月数万円程度
2. ・個人再生手続きを依頼する場合：40万～60万円程度
3. ・任意売却を依頼する場合：売買価格の数%~数十%

となります。

CMで流れるような大手弁護士事務所では相談無料というところが多くなってきましたが、以前、相談するだけでも1時間数千円の相談料を徴収するところもあります。どこに相談すべきかわからないという方は、まずは相談無料の弁護士事務所に相談しましょう。

いかがでしたか。住宅ローンの返済で困ったときに弁護士に相談できることはお分かりいただけましたでしょうか。

住宅ローンの返済に困ったらできるだけ早く行動することが重要です。延滞が進むにつれ状況は厳しくなり、延滞からおよそ1年で、差し押さえによる強制退去となります。そうなる前に、金利引き下げや返済期間の延長などの交渉を行いましょう。また他の借金が多い場合は個人再生手続きが有用です。それでも売却へと追い込まれた場合は任意売却でできるだけ高く、かつ残債についても無理なく返済できるよう交渉しましょう。

これらの手続き、交渉は一般人には非常に困難です。まずは相談無料の弁護士事務所で相談するところから始めてみてはいかがでしょうか。