もしかして住宅ローン控除の対象者かも?払いすぎた税金とは
みなさんは住宅ローン控除(減税)制度をご存知ですか?
住宅ローン控除とは、住宅の取得や一定の増改築・リフォーム工事等で10年以上のローンを組んだ場合に、所得税が戻ってくる制度です。
ここでは、実際の減税額と減税の仕組み、手続きや算定方法などを解説していきます。
減税額の例
例えば、「年収400万の扶養家族1人(配偶者のみ)、金利1.2%(完全固定)、返済期間30年、元利均等返済」というケースで考えてみます。
このケースにおいて10年間で戻ってくる所得税及び住民税額総額は次のようになります。
・借入額が2,000万円のとき・・・162万円
・借入額が2,500万円以上のとき・・・172万円
また、同ケースで年収が500万円のときは次のように変化します。
・借入額が2,000万円のとき・・・168万円
・借入額が2,500万円のとき・・・207万円
・借入額が3,000万円のとき・・・223万円
・借入額が3,500万円のとき・・・225万円
今回のケースでは、最大控除額は400万円ですので、比較しても大きな減税額となっていることがわかります。
住宅ローン控除(減税)制度の仕組み
令和元年10月1日に消費税が8%から10%へ引き上げられます。
これによって住宅ローン減税の拡充措置というものが講じられました。
それは、控除期間を3年延長し、消費税2%増税相当分の負担を、住宅ローン減税という形で還元されるというものです。
ちなみに、令和元年10月1日以降の受け渡しで消費税が10%適用される場合であっても、平成31年4月1日までに契約したものは、8%適応となる経過措置があるので注意してください。
そして、この制度の最大の特徴は「税額控除」であるということです。
つまり、住宅ローン減税は所得からの控除ではなく税額から控除されるということです。
税額控除のメリットは、戻ってくる税額がわかりやすく金額も大きいため、実感が湧くことです。
また、基本的に所得税から控除しますが、控除しきれない額は住民税から控除します。
さらに控除期間は10年間続きます。
手続きするかしないかでは大きな違いが出るのは間違いないでしょうか
住宅ローン控除(減税)制度の手続き
次に、給与所得者のケースを例に、所得税減税の手続きを確認します。
住宅ローン控除(減税)制度を利用するには、初回の確定申告と毎年の年末調整の2つの手続きをする必要があります。
確定申告は、住宅を取得した年の所得税について、翌年に確定申告書を提出することで最終的な税額を清算し、後日、払いすぎた分が還付される仕組みです。
確定申告で必要になる書類は次の通りです。
・確定申告書
・住宅借入金等特別控除額の計算明細書
・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書の原本
・住宅の登記事項証明書の原本
・住宅の請負契約書の写しまたは売買契約書の写し
・土地の登記事項証明書の原本(マンション購入の際には不要)
・土地の分譲に係る契約書の写し
・源泉徴収票の原本
・マイナンバーカードの原本または写し
次に、年末調整についてです。
住宅取得の翌年の分の増額分は、給与所得者の場合、確定申告によらずに年末調整で年末給与の支払い時の精算をすることができます。
一般的に、勤務先へ生命保険料控除申告書を提出し年末調整する人が多いと思われますが、それらと同様の手続きをします。
年末調整で必要になる主な提出書類は次の通りです。
・年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書
・給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書
・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書の原本
住宅ローン控除(減税)を受けるためには
住宅ローン控除(減税)制度を受けるには次のような条件があります。
また、中古住宅の場合は新住宅に加えて追加事項があります。
新築、新築取得による住宅などの要件
新築や新築取得の場合には特に難しい要件ではありません。
・自ら所有し、住居する住宅であること。
・新築又は取得の日から6ヶ月以内に居住の用に供すること。
・床の面積が50平方メートル以上であること。
・床の面積1/2以上が居住用であること。
・申請者の年収が3,000万円以下なこと。
など、詳細は国税省のホームページに記載してありますが、特に何事もなく住宅を取得するのであれば、自然と達成できるような内容となっています。
中古住宅の場合
中古住宅の場合は住宅等の要件に加えて、以下のいずれかを満たす必要があります。
・木造の場合は築後20年以内であること。
・マンションの場合は築後25年以内であること。
・既存住宅売買瑕疵保険に加入すること。
一定の耐震基準を満たすことが証明されていること。
これらは住むうえで問題ないかの要件に近いです。
こちらも国税省のホームページで詳しく確認することができます。
さいごに
住宅ローン控除(減税)制度は利用するととても大きい額の減税がされることがあり、確認する価値は十分あります。
また、令和元年10月1日の消費税引き上げもすぐそこですので、住宅を取得する人やリフォームする人は是非確認してみてはいかがでしょうか。