住宅ローンの返済を忘れていた、また残高不足によって支払えていなかった等の場合には、いくつかのリスクが存在しています。そんなリスクについて、ポイントに分けて説明します。

遅延損害金について

返済忘れなどによって支払いが遅れてしまうと、遅延が発生した日からは、利息よりもさらに率が高くなる遅延損害金がつけられるようになってしまいます。特に、借り入れている金額がまだまだ高額である状態で遅延をしてしまうと、遅延損害金が設定された途端に支払いができなくなってしまうこともあります。

遅延損害金は、支払いを遅らせれば遅らせるほどその率は高くなってしまうため、自身をより苦しませるようになってしまいます。しかし住宅ローンは基本的に数十年を欠けて返済するものであるだけでなく、各月の返済額も大きなものになる傾向があります。そのため、もし一度返済忘れなどによって支払いが遅くなってしまうと、翌月以降にその遅れを取り戻すのは非常に困難になってしまいます。

そしてその返済のために消費者金融に頼ってさらに自身の首を絞めてしまう場合もあるため、高利率の借り入れはしないことが不可欠になっています。

さらに返済が遅れた場合は？

上記のように住宅ローンの返済が遅れてしまうと遅延損害金という負担がかかってしまうことになりますが、さらに何ヶ月も遅れた場合、他に沢山のペナルティが課されてしまいます。

具体的には「融資をしてくれている金融会社が保証会社に代わりに返済することを要求し、その債権者が金融会社から保証会社に移行→住宅を差し押さえられて競売にかけられる」と言ったような流れの措置が取られてしまう場合があります。マイホームを売った分の金額は住宅ローンからは引かれることになりますが、それでも残った借金は返済し続けなければならないため、マイホームを失って借金を返済していく生活になってしまうかもしれません。

このような段階まで達してしまうと非常に苦しくなってしまうため、大変注意しなくてはなりません。

住宅ローンの返済遅れによる信用情報への影響

個人の返済状況や借り入れ状況等の情報は、信用機関が一括で管理をしています。カードローンの申込等のときに、カード会社や金融機関はそのような履歴を審査のための判断材料にしています。

したがって、自身が返済忘れをしてしまって支払いが遅れてしまった場合などの情報も参考にされてしまいます。新規のカードを作る際や、新たにローンに申し込む際などにはこのようなことに注意しなければなりません。

注意していても住宅ローンの返済が遅れてしまう場合や、やむを得ず支払いが遅れてしまう場合もあると思います。そんな時には適切な対策を取ることで被害を最小限に抑えることができます。そんな対処法について、いくつかのケースに分けて説明します。

振込口座に入金するのを忘れてしまったケース

このケースは、住宅ローンの引き落としがされる口座と自身の給与の振込口座を別にしてしまっている場合に多く発生します。口座を別にすることによって使いすぎを防ぐなどの利点がありますが、入金を忘れてしまうというケースもよくあります。そのため、今後も忘れてしまう可能性があると感じている場合には、住宅ローンの引き落とし口座は給与振込口座と一緒にしておくのが無難であると言えます。

さらに、給料日の直前に住宅ローンの引き落とし日が設定されている場合には、引き落とし口座の口座残高が足りなくなってしまっているリスクも考えられるため、多めに振り込んでおくことも検討しなければいけません。

一時的に返済が厳しい状況になってしまった場合

返済を忘れていたわけではなく、それが厳しいという状態が数ヶ月程度継続するようなケースでは、金融機関に相談することが必要になってきます。ここでの相談内容は「一時的に返済額を減額できないか」という内容です。金融機関によってはそのような相談専門の窓口がある場合や、専門の担当者がいる場合が多いです。

さらに、金融機関によっては、返済額を一時的にへらすことが出来るようなサービスを事前に用意していることもあります。このような制度がある場合、減額はしやすくなっていますが、「過去に返済の遅延がないこと」などの条件がある場合があるので、前もって調べておく必要があります。

住宅ローンの返済の見通しが立たないケース

「急な失職で一気に収入が減ってしまった」「現状だと返済の遅延を解消できる手段がない」というようなケースでは、はじめに金融機関に「返済額の減額は可能であるか」「可能である場合、どの程度の軽減ができるか」について相談することが必須です。

具体的には、2ヶ月以上返済を遅らせるような状況の場合に、返済の見通しが立っていないことが多くなっています。このような状況の際には自身が本当に返済できるのかについて考慮できるはずです。

住宅ローンの返済忘れをしてしまったら、上述したように「適切に」「迅速な」対処が必要です。返済忘れの予防はもちろん、正しい知識を持って、適切に対処出来るようにしましょう！